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作品紹介

花柳十種

昭和39年4月、演劇評論家らによって花柳章太郎の代表的な10の芝居「花柳十種」が選定され、翌5月より順次披露公演も行われました。11月には永年の功績が認められ、文化功労者にも選定されました。ここではその10作品についてご紹介いたします。

「歌行燈」

花柳章太郎泉鏡花の小説を久保田万太郎が映画シナリオとして脚色したが、製作が遅れ、昭和15年7月に明治座で先に舞台化。その後18年に映画化された。

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「鶴亀」

花柳章太郎里見弴の原作を久保田万太郎が脚色して昭和15年2月明治座で初演。当時若女方だった花柳章太郎が初めて老け役のおつるを演じ、大当たりをとった。

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「蛍」

花柳章太郎久保田万太郎作・演出で昭和16年6月有楽座で初演。昭和初期の浅草鳥越神社附近が舞台の、根は良い男なのに酒故身をあやまった錺(かざり)職人の物語。

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「大つごもり」

花柳章太郎樋口一葉の小説を久保田万太郎が脚色・演出し、昭和25年1月新橋演舞場で初演。大晦日の芝白金の資産家の屋敷で起こった一夜の物語。

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「あじさい」

花柳章太郎永井荷風の原作を久保田万太郎が脚色し、昭和28年5月に新橋演舞場で初演。義太夫の三味線弾きの鶴沢宗吉と下谷の芸者君香の物語。

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「夢の女」

花柳章太郎永井荷風の原作を久保田万太郎が脚色・演出し、昭和35年10月に新橋演舞場で初演。洲崎で全盛を張ったお職女郎・楓の役作りの為、花柳章太郎が小雨煙る隅田川畔を丹念に探訪したと言われている。

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「鶴八鶴次郎」

花柳章太郎昭和10年の第一回直木賞を受賞した作品を、13年1月に明治座で初演。川口新派劇の傑作として評価を上げた作品。

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「遊女夕霧」

花柳章太郎川口松太郎の小説「人情馬鹿物語」の第三話で、昭和29年4月明治座で初演。大正10年頃の吉原のお女郎と深川森下町の講釈師の心の通い合いの物語。

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「佃の渡し」

花柳章太郎北條秀司の作・演出で昭和32年12月に新橋演舞場で初演。一人の俳優がおきよ・お咲の姉妹を早替わりで演じるのが見どころの作品。

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「京舞」

花柳章太郎北條秀司の作品で、昭和35年4月明治座で初演。京舞井上流三世井上八千代の芸への執念を描いた作品。主役の片山春子役は、八十二歳から百一歳までという高齢を演じ分けなければならない難役。

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