水谷 八重子(みずたに やえこ)
昭和30年歌舞伎座の新派公演にて初舞台。以来、水谷良重の名で舞台、映画、テレビなど幅広く出演し、歌手としても活躍。
平成7年に二代目水谷八重子を襲名。現在新派を支える女優として活躍している。朗読にも力を入れており、瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」の朗読や、樋口一葉の「大つごもり」を毎年末に朗読劇として上演している。さらに「恋女房」「小五さま」などでは演出も手がけた。
主な受賞歴は昭和53年に「滝の白糸」「祇園の女」で菊田一夫演劇賞、63年に「佃の渡し」「京舞」で松尾芸能賞大賞、平成4年には「佃の渡し」で芸術選奨文部大臣賞、芸術祭賞、都民文化栄誉章などがある。さらに平成13年には紫綬褒章を受章。
舞台では「滝の白糸」「日本橋」「婦系図」「鹿鳴館」など新派の古典でその魅力を発揮している。初代八重子や花柳章太郎の芸を取り込みながらも自身の個性と才能を生かした舞台が多く、多くの観客に感動を与えている。新派を愛し、新派の情緒や伝統を残しながらも現代に受け入れられるものをということを常に考え、自主公演も含めて様々な活動を行ない、新派のリーダーとして劇団を率いている。