みどころ
<あらすじ>
「明日の幸福」
昭和三十年頃、家庭裁判所の所長松崎寿敏(喜多村緑郎)は内山夫妻の離婚の調停をしていた。夫・信吾(喜多村一郎)からの離婚の申し立てに妻・愛子(瀬戸摩純)が異議を申し立てての調停だった。寿敏は夫の側に何かがあると感じていた。
寿敏の父、寿一郎(田口守)は政界の大物で、寿敏の息子、寿雄(栗山航)を含め、三世代が大邸宅の一つ屋根の下で暮らしていたが、松崎家の権力は全て寿一郎が握っている状態。寿一郎の妻、淑子(水谷八重子)も寿敏の妻・恵子(波乃久里子)も、寿雄の新妻、富美子(春本由香)も寿一郎には腫れ物にさわるように接していた。
その寿一郎に次の組閣で、入閣の話が持ち上がっている事をある政党員が報告にやって来る。寿一郎は、推してくれた党の実力者に大切な家宝の馬のハニワを送ろうと思い立ち、嫁の恵子に倉まで取りにやらせる。しかし、恵子はひょんなことから躓いてハニワの箱を落としてしまい、慌てて中をあけてみると、馬の足が折れているのを見て動揺してしまう。
一ヵ月後、家庭裁判所の調停室では、信吾が妻とは別れたくない。実は母親が強要しているのだと告白する。寿敏が感じたとおりであったのだ。
一方、松崎家では寿敏のところに考古学者がハニワを見たがっており、これから見せてくれないかと電話がかかってきた。快諾した寿敏に恵子は観念し、ハニワのことを打ち明けようと決心したが、その考古学者が怪我をして行かれなくなったとの電話が入る。
恵子に代わって今度は富美子がハニワを倉にしまうことになったが、突然帰ってきた寿雄の声に驚き、富美子も箱を落としてしまった。富美子は箱の中を覗き込み、馬のハニワの足が折れていることに気づき、愕然とした・・・・。
「神田祭」
江戸の三大祭の一つで、「天下祭」として知られる神田祭の祭礼の様子を清元の舞踊にした一幕です。
江戸の風情が残る粋でいなせな鳶頭と芸者が登場し、祭の様子を踊って見せたり、色模様を見せたりと、情緒たっぷりの華やかな舞踊です。
神田明神の氏子、日本橋三越というゆかりの劇場にて、お楽しみください!
出演
「明日の幸福」
作:中野實
演出:成瀬芳一
「神田祭」
振付:尾上墨雪
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