芸術祭大賞受賞にあたり波乃久里子と大場正昭からコメントが届きました
- 2022年2月3日
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劇団新派の、令和3年度(第76回)文化庁芸術祭大賞受賞にあたり、『太夫さん』でおえい役を演じた波乃久里子と、演出の大場正昭から喜びのコメントが届きました。
【おえい役:波乃久里子】
劇団新派として芸術祭大賞をいただいた、こんなに嬉しいことはありません。
自分個人でいただくことよりも嬉しかったですし、劇団員はもちろんのこと、色々な方たちが賞を喜んでくださる。こんな幸せなことはないと、声をあげて泣いてしまいました。
連れて帰りたいくらい可愛い喜美太夫だった藤山直美さん、本当に素敵で、太夫たちへの愛があった善助役の田村亮さん、お初の仲居頭としての居様ひとつで宝永楼の風情を出してくださった大津嶺子さんをはじめ、太夫や仲居などすべての出演者と、大場先生をはじめとするスタッフの全員でいただいた賞だと思います。
観劇いただいた方々、新派をご贔屓くださる方々すべてに感謝いたします。
【演出:大場正昭】
波乃久里子のおえいと藤山直美さんの喜美太夫のコンビでの『太夫さん』は、北條先生が亡くなられた翌年の平成9年に初めて上演し、それ以来全国の大劇場で公演を重ね、今回が6度目でした。純真な喜美太夫と人の好さが滲みだす女将さん、二人の人間の内面が今回の公演で紡がれたように思います。
また、太夫や仲居たち、初めての役を演じる人も生き生きとやっていて、良いお芝居になったなと確信した初日でした。
田村亮さん、大津嶺子さんの上方の匂いを、千穐楽まで毎日客席で楽しませていただいたひと月でもありました。
つい昨日の日本人を描くことで古典劇でもあり現代劇でもあるという新派に与えられた命題に、今回スタッフ、キャストの総合力で一つの答えを出すことが出来たと自負しています。皆んなで頂いた芸術祭大賞、本当にありがとうございました。
令和3年度(第76回)文化庁芸術祭の詳細についてはこちらをご覧ください。