英 太郎(はなぶさ たろう)
喜多村緑郎や花柳章太郎などかつては女方が中心であった新派の流れを受け継ぎ、現在新派唯一の女方として、女優中心の劇団においてその一翼を担いつつ、自身の会を行うことでさらなる女方芸の向上と芸の存続に勤めている。
新派の名女方であった初代英太郎に弟子入り。師匠の死後、昭和48年に二代目を襲名した。代表作としては「仮名屋小梅」の小梅、「花魁草」のお蝶、「婦系図」の小芳、「明治一代女」の秀吉、「京舞」のおまき、「明日の幸福」の松崎淑子など。
またその確かな演技力と幅広い芸域ゆえに新派の作品のみならず外部公演にも数多く出演しており、その中にあって女方芸を生かして活躍している。芝居のほかに日舞や三味線などにも精通し舞台でもその芸を発揮している。
主な受賞歴は昭和59年第5回松尾芸能賞演劇特別賞、昭和59年菊田一夫演劇賞、昭和61年芸術祭賞。