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中学部門・女子舞踊コース 令和四年度成果披露発表会「寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』」を上演しました!

 2023年3月21日(火・祝)、歌舞伎座ギャラリー木挽町ホールにて、寺子屋中学部門・女子舞踊コース生徒が出演する、令和四年度中学部門成果披露発表会「寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』」を上演しました。

 

 

 『本朝不思議之國 夢逢姫』は、寺子屋に所属する女子生徒たちのために書き下ろされた作品で、昨年三月の初演から脚本、演出を一部を変更し、この度第二回目の発表を行いました。

 「不思議の国のアリス」を題材に、その不思議で可愛らしい世界観を歌舞伎として描いた本作は、戸部和久脚本、藤間勘十郎演出・振付、苫舟作曲、藤舎千穂作調、前田剛美術、平野茂照明という、歌舞伎の本興行を支えるスタッフ陣によって製作されています。

 事務局より、第二回目の『本朝不思議之國 夢逢姫』の発表の様子をレポートさせていただきます。

 

 

 第一場、不思議の国の住人・兎丹角丸が物語の語り手として登場します。或る州の姫君・()姫の身に起こった出来事を当て振りで表現すると、客席は作品の不思議な世界へと引き込まれていきました。

 

▲藍姫(左)と許嫁の信貴之助(中央)について語る兎丹角丸(右)

 

 第二場、桜と向日葵と椿が咲く不思議の国の情景が広がる中、茶人・帽子屋永休が登場し、楽しげな茶会のおどりを披露。

 場内が賑やかな雰囲気に包まれたなか、不思議の国の女王・朱雀王の家来である蜂切草と術密鞠が、兎丹角丸が落とした時計を探しにかけこんできます。蜂切草にはクローバー、術密鞠にはスペードのモチーフがそれぞれのヘアメイクや衣裳の中に施されており、「アリス」の世界観を感じることができます。

 

 

▲永休(中央)のところへやってきた蜂切草(右)と術密鞠(左)

 

 その後、美しい青色の衣裳を身にまとった藍姫が不思議の国に迷い込んできます。永休は藍姫のことを、不思議の国の世界でいなくなってしまった”秋姫”かと勘違い。さらに藍姫がもっている時計が動いていることを知ると、驚いて逃げ出してしまいます。

 

▲永休(左)と藍姫(右)

 

 わけがわからない様子の藍姫のところへ、”チェシャ猫”ならぬ知恵者猫があらわれ、不思議の国の秘密を藍姫に教えきかせます。不思議の国を出て元の世界へ帰るため、藍姫は不思議の国の女王・朱雀王に会いに行くことを決心するのでした。

 

 

▲知恵者猫(左)と藍姫(右)

 

 藍姫が向かった不思議の国の宮殿には、信貴之助にそっくりの皇子・雅樂皇子がいます。雅樂皇子には、かつて“秋姫”という許嫁がいましたが、朱雀王の手によって姫を亡き者にされ、今は宮殿で囚われの身。舞踊「黒髪」をもとにした場面では、雅樂皇子と朱雀王が情感たっぷりに男女の複雑な心情を表現します。

 

▲雅樂皇子(左)と朱雀王(右)

 

 宮殿へ駈け込んできた蜂切草、術密鞠から、秋姫に似た女(藍姫)が現れたと聞いた朱雀王。怒り心頭な様子で、「秋姫をいばらの木に縛り付けるように」と命じます。朱雀王の迫力たっぷりの台詞回しや幕外の引込みに、客席から大きな拍手が送られました。

 

▲蜂切草(左)と術密鞠(右)から報告を受ける朱雀王(中央)

 

 

 

 朱雀王の命令でいばらの縄で縛られてしまった藍姫。とらえられた雅樂皇子と出会う場面や、どうにか縄をほどこうと花びらを集めて爪先で鼠を描く場面は、歌舞伎『金閣寺』を彷彿とさせる、本作の大きなみどころです。

 

 

 

▲いばらの縄でしばられた藍姫

 

 鼠に呼び出されてやってきた知恵者猫から、不思議な力を出せる力餅をもらった藍姫。餅を食べて身体が大きくなった藍姫は、囚われた雅樂皇子のもとへと向かいます。

 

▲餅を食べて大きくなった藍姫

 

 藍姫だけでなく雅樂皇子まで逃げ出したと知り、益々怒る朱雀王のもとへ、雅樂皇子が颯爽と登場します。朱雀王たちと雅楽皇子が激しい立廻りをみせると、その迫力に客席も大いにわきました。

 

▲朱雀王(右)に戦いを挑む雅楽皇子(左)

 

 藍姫の助けを得て、とうとう雅楽皇子が朱雀王を倒したところで時がとまり、兎丹角丸があらわれます。朱雀王が倒されて不思議の国に平穏が訪れたこと、そして、夢から覚めた藍姫が信貴之助と幸せになった結末を語ると、客席からは大きな拍手が送られました。

 

▲兎丹角丸

 

 続いて、所作事『歌舞伎國乙女三番叟(ふしぎのくにおとめさんばそう)』となり、それぞれお役ごとの個性を生かした踊りを披露します。最後に全員で美しい総踊りを見せると、客席が華やかな雰囲気や高揚感につつまれ、温かい拍手の中で幕となりました。

 

▲『歌舞伎國乙女三番叟』より

 

 第二回目の『本朝不思議之國 夢逢姫』の発表に際し、生徒たちそれぞれが個性あふれるお役に挑み、せりふ、舞踊、立廻りなど、一所懸命にお稽古を積んできました。いつもご指導いただいている先生方、スタッフの皆様、後見としてサポートをしてくれた卒業生たちに支えられ、生徒たちは、約一年間のお稽古の成果を、本番で十分に発揮することができました。ご尽力いただきました関係各位に、この場を借りて心より御礼申し上げます。

 

 次回は、歌舞伎コースの生徒と共に「木挽町わかば座」として年度末の成果披露発表会を行い、女子舞踊コースの生徒たちは『藤娘』を披露する予定です。

 「木挽町わかば座」、そして第三回目の『本朝不思議之國 夢逢姫』の発表もどうぞお楽しみに!

 

 

令和四年度中学部門成果披露発表会の情報は下記リンクよりご確認ください!

 

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寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』:https://www.shochiku.co.jp/terakoya/news/2023/03/08_268.html

 

 

ya-bo.png

木挽町わかば座 立廻りの基礎『競春若葉功』『寿曽我対面』:https://www.shochiku.co.jp/terakoya/news/2023/03/09_269.html

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