出演
安井昌二
伊藤みどり/柳田豊/立松昭二/小泉まち子/勝見史郎/八田昌治
石原舞子/瀬戸摩純/鈴木章生/児玉真二/井上恭太/川上彌生/伊吹謙太朗/前田義朗
東千晃/丹羽貞仁
役名 | 【Aグループ】 3・5日の11:30の部 4・6日の15:00の部 |
【Bグループ】 4・6日の11:30の部 3・5日の15:00の部 |
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お千賀 | 東千晃 | 石原舞子 |
おくに | 瀬戸摩純 | 川上彌生 |
文吉 | 井上恭太 | 丹羽貞仁 |
沢田屋お政 | 小泉まち子 | 小泉まち子 |
竹本小百合大夫 | 柳田豊 | 柳田豊 |
座主植村 | 八田昌治 | 八田昌治 |
船宿の女中梅 | 石原舞子 | 東千晃 |
仲居おきた | 川上彌生 | 瀬戸摩純 |
庄之助 | 前田義朗 | 前田義朗 |
豊竹団勇 | 伊吹謙太朗 | 伊吹謙太朗 |
竹本駒大夫 | 児玉真二 | 児玉真二 |
竹本万鳳大夫 | 鈴木章生 | 鈴木章生 |
竹本住大夫 | 勝見史郎 | 勝見史郎 |
竹本春子大夫 | 丹羽貞仁 | 井上恭太 |
おたか | 伊藤みどり | 伊藤みどり |
竹本越路大夫 | 立松昭二 | 立松昭二 |
豊澤団平 | 安井昌二 | 安井昌二 |
※4・5日の15時開演の部のみ、豊澤団平役は児玉真二が勤めさせていただきます。
解説
第5回『アトリエ新派』公演は、平成20年、創始120年記念公演を打ち上げ、また新たに第一歩を踏み出した劇団新派が、アトリエ公演として川口松太郎の名作「浪花女」に取り組みます。
義太夫の三味線弾き・豊沢団平の芸に惚れ、周囲の反対を押し切って団平の妻となったお千賀を始め、お千賀と対立する竹本越路大夫夫妻、義太夫の魅力に取りつかれて家屋を傾け、病に付き、借金の果てに息絶えた小百合大夫、その娘で父の為に芸妓に身を落としたおくに、その恋人で人形使いの文吉など、明治の始めの人形浄瑠璃の世界で生きる人々を情感豊かに描いた作品です。またお千賀は、現在も文楽や歌舞伎での人気演目である「壺坂霊験記」の執筆者としても有名な人物です。
昭和16年1月明治座で、花柳章太郎のお千賀、大矢市次郎の団平で初演されて以来度々再演されておりますが、今回は、新派の重鎮・安井昌二を中心に、新派の若手が活躍、関西の雰囲気を持った東千晃、丹羽貞仁をゲストに迎え、「残菊物語」「鶴八鶴次郎」「月夜鴉」「滝の白糸」「京舞」「歌行燈」と並ぶ新派の”芸道物”の一つに挑戦致します。
あらすじ
千賀:浄瑠璃ほど激しい芸ごとが外におますやろか。
団平:何の芸事もその道に入れば一緒だす。
千賀:男一生のお仕事だすなあ。
団平:お千賀はんが男やったら、やらはりまっか?
千賀:女でも、やりとうおます。お師匠はんの傍にいて。
団平:傍にいて・・・?
時は明治もまだ初期の頃である。
当時、大阪の文楽座は、竹本越路大夫の浄瑠璃と豊澤団平の三味線とで人気が沸立っていた。
ある日突然、三味線の団平が床の上で倒れ、楽屋へかつぎ込まれた。すぐに座の近くにある料亭沢田屋で養生する事になったが、介抱する適当な人が必要となり、この家の娘のお千賀が自ら看病を申し出た。
お千賀が団平の看病役を引き受けたのは、急病に倒れてこの家にかつぎ込まれた団平が、重病に苦しみながらも、三味線の節付けを口ずさみ、病苦を押して舞台に出ようとする名人気質の激しさ、芸一図の姿にすっかり心打たれて、惚れ込んでしまったからだったのである。同時に、妻をなくして幼い子を抱え、一人淋しく暮らしている団平の後妻になり、自分の内助の功によって団平に心置きなく芸道精進をさせ、一世の名人に大成させることこそ、自分の生き甲斐だと思い、進んで妻になる事を決心した・・・。