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イマーシブシアター サクラヒメ ~『桜姫東文章』より~
荒木健太朗<浪人>インタビュー


――ミュージカルなど多くの舞台でご活躍ですが、南座に立たれるのは初めてですね。
小劇場の出身で、南座には遠いイメージを持っていましたので、そこに立てる日が来るとは思ってもいなかったですね。京都という場所が好きで、『ミュージカル 刀剣乱舞』で源義経を演らせていただいた時、(義経が剣の修業をした)鞍馬山には何度も登らせてもらいました。実は、昨年四月に公演で京都に来た時に南座を見て、「こんな劇場に立てたら最高だな」と思ったんですよ。それがこんな形で本当に叶うなんて思ってもいませんでした。格式ある素晴らしい場所で演らせていただけることを、とても嬉しく思います。
――特技が殺陣でいらっしゃって、演じるのが浪人役。まさにぴったりの役柄ですね。
衣裳の力をお借りしてなんですけれど、どこか凜とした品がある浪人が出来たらいいなと考えています。(人気時代劇の主人公)眠狂四郎のような品がありつつ、怖さがあるイメージですね。傘を張ったり、お茶を点てたりというシーンがあり、生活感を見せる反面、実はこういうことも嗜める人だったんだなという人物像が見えてきます。そういった育ちの悪くない武士が落ちぶれて浪人になった時、刀を抜くのはどういう感じなのかというものをお見せ出来ればいいなと思っています。

――イマーシブシアターへのご出演について、どのような思いを持っておられますか?
これまで、2.5次元ミュージカルであるとか、色々な新しいことに挑戦させてもらってきました。「演劇」というもののカテゴリーは、まだまだどんどん大きくなっていき、どんどん新しいものになっていくという風に感じています。イマーシブシアターを実際拝見したことがあるんですが、とても面白かったんですよ。「イマーシブシアターって、よく分 からない」というお客様の窓口を、『サクラヒメ』で少しでも開けられたらなということと、自分のステップアップのためにも挑戦したいと思いました。全方位から間近でお客様がご覧になる。僕も未知の世界で、そこに飛び込むのはなかなか勇気がいりましたが、吉となるしかないだろうと思っています。
――どのような公演を目指されますか?
理想は、四、五年後、当たり前のようにイマーシブシアターが上演されている将来の第一歩になる公演ですね。歌舞伎も当時は新しいものだったはずですし、南座も勇気の一歩を踏み出していらっしゃる。そのメンバーの一人に選ばれたのは誇り高いです。京都という土地柄もあり、お客様の中には海外の方もいらっしゃると思いますので、僕は刀という日本独特の美しい武器を使って、和のテイストを入れられれば。「日本人が面白いことをやっているな」ということを世界にアピール出来たら素晴らしい公演になるのではないかなと思っています。

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