《ローエングリン》現地メディア評
素晴らしい舞台だ。★★★★★。感動的な瞬間に溢れている。卓越した歌唱力と忘れがたいイメージの数々。テノールのP・ベチャワはまさしくローエングリンだった。彼の声には自然な暖かさがあり、声量、スタミナも凄まじい。ソプラノ T・ウィルソンは、エルサの純朴な誠実さを体現した。C・ガーキーは、おそらく現代の偉大なワーグナー・ソプラノであり、終始エキサイティングだった。オスカー受賞のT・イップによるセットデザインは見事だった。―――Financial Times
P・ベチャワはタイトルロールを不思議な落ち着きと統率力をもって歌った。輝くような音楽的パフォーマンスに、超一流の歌手たち。ベチャワのパフォーマンスは見事に安定しエレガントだった。レパートリーのなかで最も難しい演目のひとつである本作で、MET合唱は驚異的で心揺さるものだった。Y・ネゼ=セガンは、この壮大なスコアを、しなやかな緩急に対する確かな感覚をもって指揮し、ワーグナーの描く情景を息づかせた。―――The New York Times
P・ベチャワは、ドラマチックで説得力があり、そして何よりも人間味に溢れていた。T・ウィルソンの豊かなソプラノは、無垢な愚かさ、鋼のような決意、そして輝きの瞬間を代わるがわる効果的に表現していた。舞台上で最も大きく、最も豊潤な歌声はC・ガーキーのもので、オルトルートの手練手管をオペラのメインイベントに押し上げていた。説得力のある表現だった。―――The Wall Street Journal