《ランメルモールのルチア》現地メディア評
技術力を駆使した舞台。歌手たち、特に主演の二人は人生をかけたような歌唱だった。N・シエラはその澄んだソプラノ、明るく流麗なコロラトゥーラと大胆な装飾音で生き生きと輝いていた。驚異的なベルカントテノール、J・カマレナがエドガルドを共感しやすく、愛にひたむきな熱血漢として描いた。―――The Wall Street Journal
視覚的驚異と心を掴むコンセプト。1835年作曲のドニゼッティによる不朽の名作が、サイモン・ストーンの演出により生まれ変わった。18世紀のスコットランドの緑豊かな丘と荒涼とした風景は、現代アメリカの”ラストベルト”の廃墟へと置き換えられた。R・フリッツァによる指揮は柔らかく、明快で、刺激的で大胆に弾むようだった。キャスト皆の歌唱が傑出していた。N・シエラはこの難しい大役を見事に歌い上げ、女優としての力も見せつけた。―――The Washington Post
N・シエラのなめらかで均整のとれたソプラノが本作のなかで華やかに響いた。―――Financial Times
演出家S・ストーンによる複雑に構成され、華やかさを抑えた舞台には最後まで退屈することがなかった。N・シエラは明らかに演出家に多大なインスピレーションを与えたようだ。彼女の映画スターのようなルックスと静かなカリスマ性は、思わず見とれてしまうほどだった。―――Observer
J・カマレナはエドガルドを甘く優しい声で歌い、しっかりと音色をコントロールしていて、しなやかなフレージングは自信に満ちている。様々な仕掛けがされた舞台全体を纏めているのがN・シエラだ。彼女はルチアという魅惑的な女性が破滅するまでの道のりを一音も無駄にせず描いた。まるでこの題名役を生涯歌い続けてきたかのような見た目と歌声をしている。―――New York