【ご案内】追悼・キーンさん 書籍「ドナルド・キーンのオペラへようこそ!われらが人生の歓び」4/10(水)発売
オペラ愛好家として知られ、METライブビューイングにも何度も足をお運びいただいたドナルド・キーンさんの「ドナルド・キーンのオペラへようこそ!われらが人生の歓び」が文藝春秋より4/10(水)発売となります。東劇ビル1FのLibro東銀座店ほか、全国の書店にてお求めいただけます。
「キーンさんの言う通り、オペラにのめりこむと面白くてしょうがなくなっちゃう。魔法ですね」――小澤征爾(指揮者)
「そこにはかつてキーンさんが本誌のほか「音楽の友」や「音楽芸術」などに寄稿した文章のいくつかが、新たな形で再録されている。読み返してみると少しも古びていない。論じられている歌手たちの多くは、カラスを筆頭に、二十世紀半ばに活躍したアーティストたちであるが、今日では及びもつかないそうした超一流スターたちの姿が生き生きと甦ってくる。みずからが味わった感動をできるだけ多くの人たちに分けあいたいという、キーンさんの熱い思いがひしひしと伝わってくる文章には、むしろ新鮮な印象さえ受ける」――中矢一義(音楽評論家)
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【書籍のご紹介】
15歳から96歳まで、長きにわたり、日本とオペラをこよなく愛したキーンさん。東劇のMETライブビューイングでは、上映前に一般のお客さんに向けて上演予定のオペラ作品の解説をなさることもしばしばでしたし、かつて雑誌『レコード芸術』などの常連筆者でもありました。日本文学研究の第一人者というだけでなく、熱狂的なオペラファンというもう一つの顔があったのです。オペラがかかると、嬉しくなって踊りだすキーンさんはまるで少年のようで、目がキラキラ輝いていました。
戦時下、ナチスがヨーロッパを支配しているときに見た『フィデリオ』の思い出、マリア・カラスの声を生で聴いたときの驚き、三島さんと語りあったオペラのこと、光源氏とドン・ジョヴァンニの比較論……。
日本と芸術をこよなく愛した、ドナルド・キーンさんからの最後の贈り物です!
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★ドナルド・キーン
1922年NY生まれ。1940年、アーサー・ウエーリ訳『源氏物語』に感動して以来、日本文学や日本文化の研究を志し、戦後はコロンビア大学大学院、ケンブリッジ大学を経て1953年に京都大学大学院に留学。帰国後、コロンビア大学で日本文学を教えながら日本に足繁く通い、川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫など著名な作家と交流を深め、古典から現代日本文学まで、広く海外に紹介。2011年3月の東日本大震災後は、日本国籍取得の決意を表明し、話題に。主な著書に『日本文学の歴史』全18巻、『明治天皇』など多数。また『徒然草』や『奥の細道』、三島や安部公房の著作の英訳も多数手がけた。2019年2月24日、永眠。