映画パンフレット・グッズの担当者にこだわりを聞くインタビュー企画。 第4回は『松竹カレンダー』の担当者・竹内 豊氏に話を聞きました。
Q. まずは制作の流れを教えてください。
Q. カレンダーのコンセプトはどのように決めていますか。
毎年松竹のカレンダーチームのスタッフが会議をして決めています。今年の「つなぐ」というコンセプトは、元号の変わる大きな節目の年である2019年に、過去、現在、未来をつなぐという意味をこめて決めました。各月の女優さんの背景に一枚の布が繋がっているイメージのデザインは、このコンセプトから来ています。女優さんのポージングとデザインを合わせる必要があるため、ある程度キャスティングが決まってから、それに合わせてデザイナーに背景のデザインコンテを出してもらいました。あくまでも女優さんが主役であり、女優さんの美しさをお客様に見ていただくことが第一優先ですので、それを邪魔しない程度にテーマ性を持たせ、統一感が出るようにしています。ただ着物を着ていただいて撮ったものというだけではなく、毎年しっかり企画、コンセプトを考えているのです。
Q. 今年のカレンダー制作について教えてください。
Q. 制作の際にこだわっているポイントを教えてください。
松竹カレンダーの特色を出すという意味で、10年程前から女優さん全員に着物を着ていただく「着物のカレンダー」にしています。元々松竹カレンダーの衣裳は、着物の方もいらっしゃいましたが、全員ではなく、洋服やドレスをそれぞれのスタイリストさんに選んでいただくスタイルでした。それが、当時の担当者の「特色を出すために、全員12名を着物で統一したい」という提案から「それって今まで誰もやっていないね」ということで、全員が着物で、コーディネーターもできるだけ統一するという作り方をしたところ、お客様から好評を得て、松竹ならではのカラーとして定着しました。全体のバランスや月、季節、女優さんのイメージなどに合わせて例えば1月なら訪問着、夏なら小紋など着物の種類や色を変え、女優さんにふさわしい良い着物を揃えています。カレンダーにこれだけの女優さんをそろえて、全員が着物のものというのはなかなか無いのではないでしょうか。
Q. お客様へのメッセージをお願いします。
私は担当になって4年目なのですが、松竹カレンダーは松竹という冠が付く伝統のカレンダーです。私が担当者として把握している限り、出演者リストの履歴が1960年から残っているのですが、60年近く色々な担当者が毎年作ってきたカレンダーなので、「松竹のカレンダー」として買っていただくお客様にいいねと言ってもらえるものを作りたいと常々思っています。 大きな壁かけカレンダーを家に飾る方がだんだん少なくなっていて、数年前から卓上カレンダーも作っているのですが、松竹カレンダーはこの形、大きさというこだわりがあるので、壁かけのサイズは変えずに作っています。毎年積み上げ綿々と引き継がれてきたこのカレンダーを、是非ご購入いただき、女優さんの美しい表情に癒されてください。
次回・Vol.5