映画パンフレット・キャラクターグッズの担当者にこだわりを聞くインタビュー企画。
第15回は新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』(2019年12月6日〜25日)の劇場グッズ担当者・嶋田啓吾氏に話を聞きました。
Q. 新橋演舞場の新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』で、グッズ制作に至った経緯を教えてください。
そもそも『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿監督の思い入れが非常に強いと言われている作品で、公開から30年以上経っている今でも関連商品は非常に少ないそうです。それが今回の取り組みで、スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんが特別に、イラストやロゴを描き下ろしてくださり、これらの素材なら、事業推進部で商品化OKと許諾をいただきました。鈴木敏夫さんは、過去のジブリ作品でもポスターのキャッチコピーや下書きを描かれているなど、プロデューサーではあるものの非常に絵心のある方で、神田明神ほかで開催されていた「鈴木敏夫とジブリ展」もかなり話題になっていましたね。
Q. 商品ラインナップはどのように決めましたか?
まず、『風の谷のナウシカ』のグッズを求めているお客様が日本中にいらっしゃるなか、なるべく間口を広げておきたい、商品化をさせてもらえる限りはお客様に求められている商品はすべからく制作したい、と思いました。ジブリ様の作品は長年懇意にされているメーカーさんがいらっしゃり、ジブリ様御用達のぬいぐるみメーカーさんに不思議な巡り合わせでテトを作ってもらったり、ジブリ作品の劇場物販では定番のメダルを同じメーカーさんに頼んだりしました。映画公開当時(1984年)の人たちの思い出スイッチを押すつもりで、当時の子どもたちに受け入れてもらえるようにラインナップを考えました。
Q. 歌舞伎ならではのグッズはありますか?
また「歌舞伎揚」は、歌舞伎物販では非常に人気な定番商品です。事務所様にもご了承を得て、今回のポスタービジュアルを使用させていただきました。このほか、劇場定番の「ブロマイド」も上演期間中に販売される予定ですが、そのブロマイドを収納するケースも”ならでは”アイテムになりますね。「収納ケース」がブロマイドをご購入いただいたお客様にご活用いただけるのを願っております。
Q. 制作エピソードを教えてください。
そして商品の概要がある程度固まった10月下旬、鈴木さんご本人に対する最終報告の場が設けられ、そこで直接全商品をご覧いただきました。ご納得されたかは自信がありませんが(笑)、なんとか無事全てにご許諾を頂戴しました。まさか自分の商品を、あのジブリの鈴木敏夫プロデューサーに見ていただく機会があるなんて…。当日の朝、東小金井駅を降りてから、スタジオでお待ちし、名刺交換など、一連の時間が何だかふわふわしており、グッズ担当者冥利に尽きる貴重な体験となりました。
あとはグッズ制作というよりは、物販実施の調整をしていくうえで、新橋演舞場担当皆様にも通常公演がある中、都度本件にご協力いただいたお陰で、何とか本日に至っております。このように商品化から当日の物販に至るまで、関係各所の皆様のご協力、ご配慮なしにはここまでたどり着けませんでした。本当に感謝しております…。
Q. お客様へのメッセージをお願いします。
『風の谷のナウシカ』原作ファン、映画公開当時からファンの方、テレビ放送でファンになった方、そして今回の新作歌舞伎を観に来てくださった方、満席で残念ながら劇場に足をお運びいただけなかった方、そんなすべての方々にこれらのグッズが無事お届けできるよう、今年のみならず2020年も販売してまいりますのでどうかご安心ください!
嶋田 啓吾(しまだけいご)
取材:松竹株式会社 経営企画部広報室
2019年12月6日
12月6日(金)~12月25日(水)
新橋演舞場1F/2F販売店(先行販売)
12月13日(金)10時~
「松竹歌舞伎屋本舗 」公式通販サイト https://kabukiyahonpo.com/shop/c/cnausicaa/
特設サイト
https://kabukiyahonpo.com/nausicaa
次回・Vol.16