映画パンフレット・キャラクターグッズの担当者にこだわりを聞くインタビュー企画。
第11回は『ザ・ファブル』(2019年6月21日公開)のグッズ担当者・嶋田啓吾氏に話を聞きました。
※一部、設定・ストーリーに触れている箇所がありますので、ご注意ください。
Q. 漫画原作作品ならではの制作の流れやノウハウはありますか?
原作ファンの映画を観られた方から「このグッズは出さないのか」とがっかりされないように、少しでも映画の中でキャッチ―なものがあればグッズに落とし込むように意識しました。劇場物販というのは、その作品一回きりの機会なので、その時お出しできるベストを、お客様にお届けしようと考えています。
Q. 作品のどんなところに着想を得てグッズにしましたか?
宣伝コピーでも謳っている「超絶アクション×コメディ」をグッズでも表現出来たらなと思い、真っ先に企画したのが“アクション”、カッコよさの部分でした。ガンアクション作品だと、金属製の重厚感のあるキーホルダーは定番人気アイテムなので、劇中主人公が愛用している銃をモチーフに制作しました。またナイフも原作では同様にフィーチャーされてますのでアイテムとしては絶対外せませんでしたね。
公開初日に、このキューピーとインコが、渋くてカッコいい銃やナイフなどと一緒に棚に並ぶ画は、相当シュールな感じになるのではないでしょうか(笑)
Q. 商品ラインナップはどのように決めましたか?
先程申し上げた作品のテーマに即したグッズに加え、男性ファンがついている映画作品では、Tシャツはマストアイテムになりますね。あわせて岡田さんをはじめとしたキャストファン20~30代の女性の方向けに作品ロゴをパステル調にしたレディースTシャツも入れたり、後は男女問わず普段使い用として非常に人気・定番のマグカップも入れております。
ちなみにこうしてグッズのラインナップを考えていくのは、例えば自分が野球チームの監督になったかのようで、選手の実績や対戦相手(ターゲット)との相性を踏まえ、レギュラーを選抜していく感覚に近いなと思ったりしてます。どのグッズを4番に据えるか~など俯瞰しながら考えるのが楽しくて、いつも一人だけ勝手に盛り上がってますね(笑)
Q. この作品ならではの制作エピソードはありますか?
またメンズTシャツの方では、原作元である講談社ヤングマガジン編集部さんから「主人公のシルエットを入れたら・・・」とアイディアを頂き、原作本の表紙からいくつかパターンを制作し、先方にもご査収の上、満場一致でこのデザインになりました。
これらグッズ全体を通して、納富さんや、講談社の編集部さんやライツ事業部さんなど、皆さんが前のめりになって商品のクオリティを高められるよう一緒に考えてくださり、担当として非常にモチベーションになりましたし、本当に有難かったです。
Q. おすすめのグッズとこだわった点を教えてください。
今回、原作者である南勝久先生が映画のティザービジュアルとメインビジュアルを、単行本17巻、18巻の表紙用に原作キャラで再現してくださったものです。
原作絵の商品が、劇場物販にあるというのはそれだけで、圧倒的な本物感、公式感があり、また原作者の方がその作品を後押ししているという、原作ファンに与えるインパクトも大きい為、本作のプロデューサーである宇高に、それこそ肉に群がるハイエナのように連日使用調整のお願いをしてました(苦笑)。製造スケジュールのギリギリまで交渉、調整して頂き何とか実現したアイテムですね。
先程の野球チームでいう「エースで4番」が最後の最後に間に合った感じでしたね!(笑)
宇高プロデューサーには、要所要所で都度、調整に動いていただき、彼なしでは、ここまでのアイテムを実現するのは不可能でした。改めて本当に感謝しています。
Q. お客様へのメッセージをお願いします。
このようにグッズ制作だけでも様々な調整、展開がありましたが、同じ部署のパンフレット担当者石川(第二回インタビュー登場)も、相当ギリギリまで内容を高めていて、例えば主題歌の歌詞を載せるための調整に一カ月かかったりもしていたそうです。劇中登場の銃を、何やら図鑑のようにまとめているなど、随所に工夫が散りばめられたパンフレットは、もう必読ですね!
そして本編を見ても、これだけ豪華なキャスト陣を迎えているということは、製作まわりの調整もかなり大変だったのではないかなと推察されます。
各セクションのスタッフがギリギリまでベストを尽くした「ザ・ファブル」は、劇場に足を運んでくださるお客様に、松竹として恥ずかしくない物をお届けできるのではないかと思います!
あと・・・きっと本編をご覧になった男性の方はほぼ全員、木村文乃さん、山本美月さんが好きになりますね!(笑)
嶋田 啓吾(しまだけいご)
取材:松竹株式会社 経営企画部広報室
次回・Vol.12