当社は映像と演劇を生業としている会社であり、もともとは歌舞伎興行から始まりました。日本の伝統文化でもある歌舞伎は、民間企業として松竹だけが手がけている事業です。映画では製作から配給、宣伝、興行、2次利用まで一貫した機能を持っており、このような会社自体が非常に少ないので、これらの点が当社の特徴だと思います。我々の仕事の魅力は、何と言っても「お客様に感動を与えることができる」ということ。“人生の気づき”とも言える「人の特別な気持ち」にかかわれる仕事は、他ではなかなかできないことであって、我々が仕事をしている上での最大の喜びであり、素晴らしい仕事だと思っています。
松竹は明治28年という、娯楽といえば芝居が中心であった時代に創業しました。その後、映画が登場して人気を博し、今ではTVだけではなく動画サイトやスマホゲームなど、娯楽も多様化が進んでいます。映画・演劇を体験せずとも他の趣味だけで生活が充実できるなど、マーケットが刻々と変化している中で、松竹のアイデンティティをいかに発揮していけるかが重要になります。そこに難しさもありますが、まずはお客様の期待にきちんと応えられる作品を提供するための“深掘り”する努力と、一人でも多くのお客様に作品をご覧いただくための“水平展開”する努力が、松竹グループの事業として必要なことだと考えています。