作品詳細
作品紹介
作・演出:宮藤官九郎
宮藤官九郎×中村勘九郎による、奇想天外な人情噺!
シネマ歌舞伎にもなった『大江戸りびんぐでっど』をはじめ、奇抜な発想を取り入れた歌舞伎作品を生み出してきた宮藤官九郎が、4作目として作・演出を手掛けた新作歌舞伎『唐茄子屋 不思議国之若旦那』。大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」でタッグを組んだ中村勘九郎とともに、江戸時代の芝居小屋にタイムスリップしたような空間が広がる平成中村座で初めてとなる新作歌舞伎の上演に挑みました。
古典落語「唐茄子屋政談」に「不思議の国のアリス」の要素を織り交ぜた本作は、勘九郎演じる自己愛強めな若旦那や、人情深い八百屋のおじさん、第二形態に変身する吉原の花魁に、アグレッシブな江戸っ子大工、そして、しゃべる蛙まで登場する奇想天外な人情噺。さらに、若旦那が迷い込むパラレルワールド「第二吉原」では身体が大きくなったり、小さくなったり…驚きの仕掛けが満載です!
また、本作は「唐茄子屋政談」だけではなく、「大工調べ」や「十八檀林」「鈴ふり」などたくさんの落語の要素が絶妙なバランスで混ざり合って、唯一無二の物語に仕上がっていますので、落語ツウも楽しめる新作シネマ歌舞伎です!
【宮藤官九郎コメント】
大好きな勘三郎さんに会いたくなると、こっそり東劇へ行き、シネマ歌舞伎を観ます。あそこで『唐茄子屋』がかかるのかぁ。誇らしいような照れ臭いような。勘三郎さん、悔しがってくれるでしょうか。
もちろん舞台は生がいちばんですが、ミニ若旦那や超ミニ若旦那の雄姿が永久に堪能できるのは映画ならでは。
何より『大江戸りびんぐでっど』で旧歌舞伎座への郷愁をメタメタに破壊したこの私に、二度ならず三度も声をかけてくださって、平成中村座初めての新作という機会を与えて下さった中村屋一門の懐の深さ、怪優、荒川良々までも飲み込んでしまう歌舞伎という芸能の奥深さ、今さらながら驚いています。
今後もさらなるチャレンジ、期待しています。
あらすじ
吉原遊びが過ぎて勘当された若旦那・徳三郎は橋から身を投げようとしているところを偶然通りかかったおじに助けられる。事情を聴いたおじの勧めで徳三郎は唐茄子(かぼちゃ)売りの商いをはじめることに。商いの途中で様々な人に出会い少しばかり成長した徳三郎だったが、執心していた傾城・桜坂の身請けが決まったと聞き、たまらず吉原へ向かう。しかし、徳三郎が迷い込んだのは、どこかイビツで不思議なパラレルワールド「第二吉原」で…!?
作品概要
上演月:2022(令和4)年10月
上演劇場:平成中村座
シネマ歌舞伎公開日:2024(令和6)年1月5日
上映時間:113分
イヤホンガイドアプリ
本作は「シネマ歌舞伎イヤホンガイド」アプリ対応作品です。
※ ご使用にはスマートフォン、イヤホンが必要です。
配役
若旦那徳三郎:中村勘九郎
大工の熊:中村獅童
お仲/傾城桜坂:中村七之助
第二太夫/源六倅源助:坂東新悟
眠善治郎:中村虎之介
若旦那(小):中村勘太郎
お仲倅イチ/若旦那(超ミニ):中村長三郎
丹生林/海苔屋のおたね:中村鶴松
職人の半公:澤村國矢(現・精四郎)
山崎屋おりき:中村歌女之丞
達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ:荒川良々
番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ:片岡亀蔵
大家源六:坂東彌十郎
八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ:中村扇雀