作品詳細
作品紹介
作・近松門左衛門
近松門左衛門が書き下ろした世話浄瑠璃で、歌舞伎としては1909年に二世實川延若が初演しました。
複雑な家庭環境により荒んだ生活を送る大坂天満の油屋河内屋の息子・与兵衛の哀感と狂気、同業の豊嶋屋七左衛門の女房・お吉の与兵衛への思いやり、与兵衛を勘当するも心配でならない継父・徳兵衛と実母・おさわの情愛が、近松の筆によって巧みに描写されています。
題名に”油地獄”とある通り、借金に追いつめられた与兵衛が衝動的にお吉を殺害する場面での、油まみれになりながらの立廻りは、大きな見せ場となっています。
片岡仁左衛門(当時 片岡孝夫)が1964年に初演し、出世作となった河内屋与兵衛を勤め、子・孝太郎と孫・千之助との親子三代での共演も話題を呼んだ、歌舞伎座さよなら公演の名舞台です。
※予告映像の俳優名表記は公演当時のものです
あらすじ
放蕩者の与兵衛は、店の有り金を持ち出しては馴染みの芸妓小菊に入れあげている。金に困った与兵衛は、徳兵衛に金策を断られるや逆上して家族に暴力を振るう。見かねた母・おさわが勘当を迫ると自棄を起こして家を飛び出すのだが、借りた金の返済は迫り、途方に暮れる。
一方、徳兵衛とおさわはお吉を訪ね、与兵衛を家に帰るように諭してくれと涙ながらに頼み、銭を預けて帰って行った。このやりとりを物陰で密かに聞いていた与兵衛は、その親心に涙を流し、銭を受け取る。しかし借金額には程遠いため、お吉に借金を申し出るのだが、断固として拒絶されてしまう…。
作品概要
上演月:2009(平成21)年6月
上演劇場:歌舞伎座
シネマ歌舞伎公開日:2011(平成23)年6月18日
上映時間:110分
イヤホンガイドアプリ
本作は「シネマ歌舞伎イヤホンガイド」アプリ対応作品です。
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配役
河内屋与兵衛:片岡 仁左衛門
豊嶋屋お吉:片岡 孝太郎
山本森右衛門:坂東 彌十郎
娘お光:片岡 千之助
小栗八弥:坂東 新悟
妹おかち:中村 梅枝(現・時蔵)
刷毛の弥五郎:片岡 市蔵
皆朱の善兵衛:市川 齊入
兄太兵衛:大谷 友右衛門
父徳兵衛:中村 歌六
芸者小菊/母おさわ:片岡 秀太郎
豊嶋屋七左衛門:中村 梅玉