作品詳細

かいだん ぼたんどうろう

怪談 牡丹燈籠

幽霊より怖い人間の業

  • 上映中
  • 月イチ

予告動画

作品紹介

原作:三遊亭円朝
脚本:大西信行
演出:戌井市郎

三遊亭円朝の傑作『怪談 牡丹燈籠』は、明治25年(1892)に三世河竹新七の脚色により歌舞伎座で上演され、空前の大当たりとなりました。以来、人気演目として今日に至っていますが、シネマ歌舞伎にもなった中国の昆劇『牡丹亭』もその下敷きとなったと言われています。今回上映致しますのは、平成19年10月の歌舞伎座公演の舞台映像で、台本は、昭和49年(1974)年に大西信行氏が文学座のために書き下ろしたものです。言葉は口語に近く、人物像もより深く掘り下げられた、笑いどころも満載の、現代版『怪談 牡丹灯籠』になっています。

伴蔵とお峰は、18年ぶりに仁左衛門と玉三郎が演じ、息の合った絶妙な夫婦のやりとりを見せています。そこに、萩原新三郎(愛之助)とお露(七之助)、宮野辺源次郎(錦之助)とお国(吉弥)の二組の男女の物語が重なり、幽霊よりも怖い人間の業の世界が展開してゆきます。カラン、コロンという下駄の音を響かせ牡丹燈籠を手に現れる、お露とお米(吉之丞)の二人の幽霊の怖さとおかしみも見どころです。また、この大西本は、原作者である円朝が舞台にも登場して高座で『牡丹燈籠』を「噺す」という趣向をとっており、こちらも三津五郎の力演によりたっぷりお楽しみいただけます。

あらすじ

【第一幕】
旗本の飯島平左衛門は妻を亡くし、下女のお国を後妻にしたが、平左衛門の娘・お露はお国と折り合いが悪く乳母のお米と共に柳島の寮に住んでいた。お露は飯島家に出入りしていた医師・山本志丈の付き人・萩原新三郎を慕うあまり、恋の病にかかり床に臥せってしまい、気晴らしにと、お露とお米と志丈は大川に出てで舟遊びを楽しむ。そこへ、お国と宮野辺源次郎を乗せた舟もやってくる。その後、お露が気を病んで死んでしまうと、乳母のお米もお露の後をおって自害してしまう。その知らせを聞いた新三郎が盆に回向の準備をしていると、牡丹燈籠を下げたお露とお米があらわれる。新三郎はお露との再会を喜び、お米に勧められるまま、枕を交わす。そこに、飯島家に出入りしている医師の山本志丈と、新三郎の世話をして生計を立てている伴蔵が新三郎の様子を見に来るが、伴蔵は骸骨に抱かれる新三郎の姿を目撃して腰を抜かす。
お国は夫である平左衛門を殺して源次郎を養子に迎えようと画策していたが、二人の不義密偵に気づいた平左衛門を源左衛門が討ち果たし、さらに、女中のお竹までも口封じのために手にかけてしまう…。
その頃、牡丹燈籠を手に自分のもとへ現れるお露とお米が幽霊だと知った新三郎は部屋の中にお札を張り巡らせ、二人が近寄れないようにしていた。困ったお露は伴蔵のもとを訪れ「お札をはがしたうえで海音如来の尊像を隠してほしい」と懇願する。躊躇う伴蔵だったが、百両の報酬金に目がくらみ、翌日、伴蔵の家から海音如来の尊像を持ち出し百両の金を受け取ると、部屋の札をすべて剥がしとった。
嬉しそうに新三郎の家の中に入っていくお露は、久しぶりに対面を果たした新三郎を取り殺すのであった。

【第二幕】
一年後。伴蔵とお峰夫婦はお露から得た報酬金の百両を元手に、郷里の栗橋で関口屋という荒物屋を営んでいた。
一方、源次郎は栗橋土手で物乞いををして生計を立て、お国は笹屋という料理屋で酌婦奉公をし、開いた時間で源次郎のもとを訪れる日々を送っている。
関口屋で店番をしているお峰は馬子の久蔵をもてなしながら、伴蔵が入れあげている笹屋の酌婦について探っている。その夜、酌婦のお国とお梅に送られて上機嫌で帰宅した伴蔵は全てを知っているお峰に驚きながらも、もう酌婦のお国とは会わないと約束をする。
幸手堤に通りかかったお国と土手に潜む源次郎は笹屋の酌婦お梅が平左衛門とともに手かけた女中のお竹の妹だと知って驚く。そして、何者かに誘われるように虫の群れを追い、転んだ源次郎は自らの刀で…。
伴蔵はお峰に尽くし、引っ越しをしてやり直そうと言い、海音如来を埋めた幸手堤までやってくる。すると、雷鳴が轟き、激しい雨が降る中、ふとお峰が振り向くとそこには…。

作品概要

上演月:2007年(平成19年)10月
上演劇場:歌舞伎座
シネマ歌舞伎公開日:2009(平成21)年7月11日
上映時間:155分(第1幕:80分/第2幕:75分)(別途休憩あり)

イヤホンガイドアプリ

本作は「シネマ歌舞伎イヤホンガイド」アプリ対応作品です。

※ ご使用にはスマートフォン、イヤホンが必要です。

配役

伴蔵:片岡 仁左衛門
三遊亭円朝/船頭/馬子久蔵:坂東 三津五郎
萩原新三郎:片岡 愛之助
お露:中村 七之助
女中お竹/酌婦お梅:中村 壱太郎
お米:二世 中村 吉之丞
お国:上村 吉弥
飯島平左衛門:坂東 竹三郎
宮野辺源次郎:中村 錦之助
伴蔵女房お峰:坂東 玉三郎

上映劇場・上映スケジュール

都道府県 上映劇場 上映期間
東京 2024年12月13日(金)~2024年12月26日(木)

TEL:03-3541-2711

料金・特別鑑賞券

一般料金 2200円(税込)
学生・小人 1500円(税込)
  • 特別興行につきサービスデー、レディースデーなど各種割引料金の設定はございません
  • 障がい者の方の鑑賞料金については、対応が異なりますので各映画館にお問い合わせください