「年収」や「人間関係」に関わらず、映画鑑賞は“幸福度”を上昇させる
9月に設立しました「映画のある生活ラボ」は第1回レポートとして、映画館での映画鑑賞が“幸福度”を上昇させる効果を発信しました。※第1回の内容は こちら
ありがたいことに多くの感想やSNS上でのコメントをいただき、その中に「裕福な人やもともと幸せな人が映画をたくさん見ているだけではないか?」というご意見がありました。
そこで第2回のレポートとして、どういう人が映画鑑賞によって“幸福度”を上昇させているかを掘り下げて分析した結果をご報告します。※詳細データは こちら(483 KB)PDF
尚、当初2回めに予定していた「教育」に関する調査結果は次回にレポートいたします。
調査結果
人間関係が良好でない人は、映画鑑賞による“幸福度”の上昇率が大きくなります。「年収」や「家族や友人との人間関係」の影響を除外しても、映画館での映画鑑賞は、“幸福度”を上昇させており、学生を含む多くの人の生活を豊かにする身近な趣味であると考えられます。
人の幸せに影響を与える要因として、「年収」と「家族や友人との人間関係」が大きいことはこれまでの調査研究が明らかにしてきたことであり、本調査においても同様の傾向があります。そこで、「幸福な人かどうか」を区別するために、本調査で聴取した「世帯年収(学生除く)」と、「家族や友人との人間関係は良好である」かどうかを基準にし、次のように属性を6つに区分しました。
1.学生×人間関係良好
2.学生×人間関係良好でない
3.年収700万円未満×人間関係良好
4.年収700万円未満×人間関係良好でない
5.年収700万円以上×人間関係良好
6.年収700万円以上×人間関係良好でない
※年収=世帯年収を社会人のみ聴取
※学生=高校生・大学生・専門学校生の合計、世帯年収は不問
※「家族や友人との人間関係は良好である」という設問に、「非常にあてはまる」「ややあてはまる」回答者を人間関係良好、「どちらともいえない」「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」回答者を良好でないとした
それぞれに映画館での映画鑑賞頻度と“幸福度”の関係を示したグラフです。
映画鑑賞回数と“幸福度”の相関が最も強いのは「学生×人間関係良好でない」層(一番右上の図)となり、逆に相関が最も弱いのは「年収700万円以上×人間関係良好」層(一番左下の図)でした。 学生は人間関係良好層においても相関が強く、「1年以内に行った余暇活動」の中で、映画館での映画鑑賞が1位であることからも、映画が身近であり“幸福度”を上昇させる役割を担っていると考えられます。 逆に相関が弱かった「年収700万円以上×人間関係良好」層は、趣味が多様かつ一人あたりの実施数も多い特徴があり、国内旅行・海外旅行・ゴルフ・美術鑑賞・スポーツ観戦などの参加率が比較的高いことから、映画鑑賞以外の余暇活動からも幸福を得ているため、相関を弱めている可能性があります。
結論
以上のことより、もともと幸せな人だけが映画館で映画をたくさん見ているのではなく、年収を問わず学生まで、多くの方の幸せに映画鑑賞が影響を及ぼしていると考えられます。
アンケート実施概要
- 2018年6月8日(金)~6月11日(月)
- インターネットによるアンケート調査
- 全国の15~69才男女 2,230名
- 映画館での映画鑑賞
自宅での映画鑑賞
自宅でのドラマ鑑賞
アニメ鑑賞
読書(小説・新書)
読書(コミック)
ゲーム
観劇(生の舞台)
美術鑑賞
音楽ライブ・フェス
クラシック音楽鑑賞(生の演奏会)
スポーツ観戦(生の会場)
写真撮影
国内旅行
海外旅行
ウォーキング・ジョギング・マラソン
登山・ハイキング
スポーツジム・フィットネスクラブ
ゴルフ
- 株式会社日本リサーチセンター
◆詳細は こちら(483 KB)PDF