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【作品データベース】日本春歌考 にほんしゅんかこう

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・103分
「性の歌は民衆の抑圧された声である」という添川知道のベストセラーの主張に共感した大島渚監督が、即興的な手法で描いた作品。大学受験のため上京した中村は、試験場にいたある女子受験生に魅力を感じる。また教師と一緒にいた高子にも興味を覚え…。青春のエネルギーと性の欲望を持て余した若者たちを描く。

STORY
豊秋(荒木一郎)は広井(串田和美)や丸山(佐藤博)たちと共に大学受験のため上京してきた地方の高校生である。彼は試験場で見た女の印象からチャタレイ夫人を想い浮べ、性欲を感じた。女生徒の名は藤原眉子(田島和子)といい、ベトナム戦争反対の署名を集めていた。試験の終わった後、街へ出た豊秋たちはなんとなく建国記念日反対のデモに加わったがそこで、かつて彼らの教師で、いま大学のドクターコースに学んでいる大竹(伊丹十三)と彼の恋人高子(小山明子)を認めた。豊秋たちは高子の白い脚を見ていっそう性欲を刺激され、デパートで助けた万引き女をホテルに誘ったが失敗した。翌日、クラスメートの女生徒早苗(宮本信子)や幸子(吉田日出子)と会った彼らは、大竹を訪ねたが、大竹は居酒屋で豊秋たちの性的欲求不満を見てとるとやおら春歌を歌い始めた。そして男生徒は一層性欲的になったのだが、女生徒は意味も分からず、無邪気に唱和していた。その夜、忘れ物を取りに大竹を訪ねた豊秋は、ガス管を蹴とばして寝ている大竹を見たが、助ける気にならなかった。春歌を歌って眉子を犯す場面を想像していたのである。翌朝大竹の死体が発見され、女生徒は泣いて悲しんだ。だが、豊秋は“泣いている女は性欲的存在である”という哲学的命題を立て、高子を訪ねた。そして大竹を助けなかったことを告白し、一番から十番まで春歌を歌うと十一番目に高子を抱いたのだが、初めてのことでうまくいかなかった。事件は過失ということになったがその後、豊秋たちはプロテストソング大会で眉子に会い、空想で彼女を犯したと告げたが、意外にも眉子は空想を実現して欲しいと言うのだった・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
荒木一郎
岩淵孝次
田島和子
小山明子
伊丹十三
宮本信子
- スタッフ -
監督:大島渚
脚本:田村孟
脚本:田島敏男
脚本:佐々木守
脚本:大島渚
撮影:高田昭
音楽:林光

配給:松竹
©1967松竹株式会社

ジャンル:現代劇