顔を貸せ

公開日：1966年2月19日（土）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・90分
湯浅浪男と小林久三、それに林朗が共同でシナリオを執筆、湯浅浪男が監督したやくざもの。撮影は森田守が担当している。

STORY
羽田空港から自動車をかっぱらい、悪事を働きながら大阪に流れて来た関東ヤサぐれの女ボス留美子（初名美香）は、手下のチョロ（滝まり子）、輝美（比嘉照子）、ノブ（黒羽ナナ）と一緒に凄まじい生活を始めた。その頃、スリの名手銀二郎（高宮敬二）もカモを狙って大阪に流れて来たが、彼はオシの女初江（松岡きっこ）に助けを求められ彼女を旅館にかくまったが、初江はオシの夫三吉（江波志郎）と組んでじゃぶじゃぶ売春の常習犯で、金をまきあげ、持ち物をいただいては荒かせぎする夫婦であった。スリの名手銀二郎もこの新手にはまいった様子であった。一方名神高速道路では、トラックに飛び乗り、車を奪ってはポンコツ屋に売りとばし、大阪のさかり場を荒し廻る留美子ら関東ヤサぐれたちを、なんとかやつけようと意気込むまゆみ（清水まゆみ）をボスとするヒロ子（光映子）、ユカ（不動明子）、チコ（荒井千津子）の関西ヤサぐれたちの動きも派手になっていた。盛り場で毎日繰り返される戦いに、銀二郎はなんとか仲裁しようとチンピラ大助（仲子大介）、マー坊（小高まさる）を使って奔走した。そうしたある日、まゆみの妹冴子（市川瑛子）が組織売春のボス荒川（菅原文太）、手下のジョージ川田（稲垣隆）らに犯された。彼らは若い娘をみつけては、朱美（豊原路子）の手に渡し、彼女の手で犯して、レスビアンに仕立ててから売春をさせる大阪独特の売春組織であった。冴子の行方を探し、妹の死体を発見したまゆみらと関東ヤサぐれは、冴子のとむらい合戦を決意した。冴子を殺したのは荒川であった。銀二郎の必死の工作も虚しく、乱闘の末まゆみらは、仇をうった。静かになった大阪をあとに、北海道に旅立つ銀二郎の胸をまゆみの美しい顔がよぎった。