映画・アニメの世界

【作品データベース】下町の太陽 したまちのたいよう

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分
山田洋次監督の記念すべき2作目の作品。ポジティブに強く生きようとする若者を題材にした感動ヒューマン映画。下町工場で働くひとりの女性を軸に家族や恋人の懸命な生き様をさわやかなタッチで描く。映画化のきっかけは、1961年に主演の倍賞千恵子が題名と同タイトルの主題歌を歌い大ヒットとなったことから。東京都墨田区の京成線の京成荒川駅および東武線の曳舟駅付近、国鉄新小岩駅など、まさに下町が舞台になっている。

STORY
荒川の流れにそって貧しい家並が密集している東京の下町、寺島町子(倍賞千恵子)は化粧品工場の女工として働いている。母は亡くなり父、祖母、弟二人の家庭は明るく平和である。同じ工場で働く恋人の毛利道男(早川保)は丸の内本社に勤めるサラリーマンを夢みて、正社員登用試験の勉強に励んでいた。毎日の通勤電車にいつも一緒に乗り込んで町子を見つめている不良っぽい工員たちがいた。彼等は北良介(勝呂誉)たちで、町子の弟健二(柳沢譲二)ともつき合いがあるという。その健二が万引事件で警察沙汰を引きおこしたので、町子は鉄工場の良介を訪ねた。彼は健二を理解しており町子の危惧に背を向けて一心に機械と取り組んでいた。その姿に町子は思わず感動をおぼえた。その頃、正社員登用試験の結果が発表されたが、道男は次点で不合格となり、自信満々だっただけにショックは大きかった。同僚の金子(待田京介)が要領がよくて合格したのを散々コキおるす道男の心には町子の慰めも通ぜず、二人の間には空虚な数日が流れた。公会堂で開かれたダンスパーティの夜、良介は町子を誘って外に出ると前から好きだったことを告白したが、彼女に恋人がいることを聞かされて淋しそうに帰って行った。数日後、颯爽と自動車を運転していた金子は老人を轢ね、これを道男が会社に連絡したため金子の正社員登用は取り消され、道男が採用されることになった。道男は早速町子と逢って結婚の約束を急いだが、町子は道男のとった態度を素直に受けいれることが出来なかった。町子は彼に言った。「あなたは結局は下町を出て行く人よ、でも私はここにいたいの、いつまでも」やがて、下町にまた太陽が昇って町子は通勤の満員電車にゆられている。その片隅に真剣なまなざしの良介がいた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
倍賞千恵子
勝呂誉
早川保
田中晋二
- スタッフ -
監督:山田洋次
脚本:山田洋次
脚本:不破三雄
脚本:熊谷勲
撮影:堂脇博
音楽:池田正義

配給:松竹
©1963松竹株式会社

ジャンル:現代劇