映画・アニメの世界

【作品データベース】大穴 おおあな

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・98分
黒岩松次郎の同名小説を『白い崖』の菊島隆三が脚色し、『パイナップル部隊』の内川清一郎が監督したもので、ギャンブルに賭ける大学生を主人公にした青春映画。撮影も同じく『パイナップル部隊』の太田喜晴。


STORY
楢山車輛工業では新入社員の採用試験が行われていたが、そのなかに試験官に逆らっている奇妙な学生がいた。南海大学演劇部に在籍する大崎恭太郎(杉浦直樹)で、彼はアパートの持主千代菊(春川ますみ)が惚れているのを幸い週一回の交渉を条件に無料で部屋を借りているという計算に徹した男であった。今度の受験も会社の内情をさぐるためだった。田所社長(上田吉二郎)は恭太郎の態度に腹を立て、増資計画の機密をもらした。恭太郎は楢山株を買いに出、八百万の大金を手にした。さらに彼は友人の鳥井(ミッキー安川)を助手に雇い、楢山車輛が岩戸クラッチを買収しようとしているという情報を掴んだ。恭太郎の学友・桂子(芳村真理)も社長秘書の町子(条ちづる)からこのことを聞いて動いた。二人が買いに出たため、岩戸株は異常な動きをみせた。小酒井専務(山茶花究)は逆に鳥井を買収、恭太郎の行動をスパイさせるという手に出た。その頃、恭太郎の父がやってきた。彼はドサ廻りの興行師で、興行の前金を使いこんだので南海大学の演劇部にその穴うめ興行をやってくれというのだ。相手先が岩戸クラッチの大株主・黒島(左卜全)と聞いて恭太郎の闘志は燃えた。彼は黒島をうまくいいくるめ、三十万株の取引を契約した。しかし楢山車輛の動向が活発化し、岩戸株は暴騰、岩戸側と楢山車輛とは恭太郎をなかに攻防戦を展開した。しかし、恭太郎の動きは鳥井を通じて逐一楢山側に報告されていた。突然株価が暴落した。楢山車輛が岩戸クラッチを断念、アメリカと技術提携を発表したためだ。戦いは終った。田所社長は恭太郎の腕にほれこみ、入社を勧告、百万円の小切手まで用意したが、「学生としての敗北は認めるが、次は背広で堂々と勝負しよう」と断った。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
杉浦直樹
芳村真理
花菱アチヤコ
清川虹子
山茶花究
- スタッフ -
原作:黒岩松次郎
監督:内川清一郎
脚色:菊島隆三
撮影:太田喜晴
音楽:佐藤勝

配給:松竹
Ⓒ1960松竹株式会社

ジャンル:現代劇