朝を呼ぶ口笛

公開日：1959年3月4日（水）

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作品情報

INTRODUCTION
上映時間・61分　大船作品
全国中小学生作文コンクールで文部大臣賞を受賞した吉田稔の『新聞配達』を映画化したもの。光畑碩郎が脚色、生駒千里が監督した。撮影は篠村荘三郎。

STORY
吉井稔少年（加藤弘）は父松一郎（織田政雄）と母のきよ子（井川邦子）、それに幼い弟（鳥居博也）と妹（羽江まり）の一家にあって、定時制高校に進学するため新聞配達をしてお金を貯めていた。同じ新聞配達所に勤めて夜間大学に通っている須藤隆司（田村高廣）とその恋人のバスガール前川静子（瞳麗子）、それに稔の配達区域に住む少女刈谷美和子（吉永小百合）等が、稔を常に力づけてくれた。ところがある日母のきよ子が過労で倒れた。日頃世話になっている桜堂の主人大野（殿山泰司）から家計の実情を聞いた稔は、母の手術費用に進学用の一万円の貯金をおろし、鋳物工場に見習工として入る決心をした。夜間大学出のため一流会社の試験におち、静子との恋も諦めて北海道に行くことになった隆司は、進学を断念したといって事情をあかそうとしない稔を詰問したすえ、彼の頬を打った。しかし、隆司はその夜、稔の家を訪ねて行った帰りに同僚岩崎（田村保）から、はじめて稔が母の手術費を作るため進学を諦めたことを聞いた。胸をうたれた隆司は本を売って見舞の金を贈ることにした。女主人の政江（沢村貞子）や、新聞配達仲間の日比野（吉野憲司）、竹内（田中晋二）、遠山（佐山彰二）、国方(清水幹世)たちも話を聞いてお金を出しあってくれた。集った六千五百円をもって隆司は稔の家を訪れた。みんなの気持にうたれた父の松一郎は、自分の意気地がなかったことを改めて稔に詑びて、彼を何としてでも高校に進学させようと誓った。母のきよ子の手術も経過良好で稔の一家は明るさをとりもどした。