映画・アニメの世界

【作品データベース】彼岸花 ひがんばな

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・118分
自分に相談もせず、結婚相手を決めた娘(有馬稲子)のふるまいに動揺する父親(佐分利信)の姿を描く。娘の結婚を応援する山本富士子の助演も絶妙。初のカラー作品で、監督が好んだドイツのアグファカラーの落ち着いた発色は、以後”小津の色”として定着する。

STORY
大和商事会社の取締役平山渉(佐分利信)と元海軍士官の三上周吉(笠智衆)、それに同じ中学からの親友河合(中村伸郎)や堀江(北竜二)、菅井(菅原通済)達は会えば懐旧の情を温めあう仲。それぞれ成人してゆく子供達の噂話に花を咲かせる間柄でもある。平山と三上には婚期の娘がいた。平山の家族は妻の清子(田中絹代)と長女節子(有馬稲子)、高校生の久子(桑野みゆき)の四人。三上のところは一人娘の文子(久我美子)だけである。その三上が河合の娘(清川晶子)の結婚式や、馴染みの女将のいる料亭「若松」に姿を見せなかったのは文子が彼の意志にそむいて愛人の長沼(渡辺文雄)と同棲していることが彼を暗い気持にしていたからだった。その事情がわかると平山は三上のために部下の近藤(高橋貞二)と文子のいるバーを訪れた。その結果文子が真剣に結婚生活を考えていることに安堵した。友人の娘になら理解を持つ平山も、自分の娘となると節子に突然結婚を申し出た青年谷口正彦(佐田啓二)に対しては別人のようだった。彼は彼なりに娘の将来を考えていた。その頃、平山が行きつけの京都の旅館の女将初(浪花千栄子)が年頃の娘幸子(山本富士子)を医師に嫁がせようと、上京して来た。幸子も度々上京していた。幸子は節子と同じ立場上ウマが合い彼女の為にひと肌ぬごうと心に決めた。谷口の広島転勤で節子との結婚話が本格的に進められた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
佐分利信
山本富士子
有馬稲子
佐田啓二
高橋貞二
久我美子
- スタッフ -
原作:里見弴
監督:小津安二郎
脚色:野田高梧
脚色:小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:斎藤高順

配給:松竹
©1958松竹株式会社

ジャンル:現代劇