INTRODUCTION
上映時間・143分
俳優・尾上菊之助と、糟糠の妻・お徳の悲恋を描いた“芸道もの”。原作は村松梢風の実録小説。溝口はこの作品でワンシーン・ワンカットの表現方法を完成させた。

STORY
菊之助（花柳章太郎）は周囲からちやほやされるのをいいことに、ろくな稽古もしないのでいつまでたっても大根役者から抜け出られなかったが、お徳（森赫子）の励ましで一念奮起する。菊之助はお徳と結ばれたいと思うのだが、封建的な社会のこと、お徳は邪悪な女たちによって迫害され、終には追い出されてしまう。ここから、菊之助の養父への反抗と、お徳ともどものドサまわりの暮しが始まり、それをお徳が支えるという話が展開してゆく。そして最期には、お徳の機転によって菊之助の芸の上達ぶりが養父たちにも認められ、芸能界で出世することができたのであるが、そのかわりにお徳は、菊之助と別れることを求められる。

- キャスト -
花柳章太郎
高田浩吉
伏見信子
森赫子
梅村蓉子
志賀廼家弁慶
- スタッフ -
原作：村松梢風
監督：溝口健二
脚色：依田義賢
撮影：三木滋人
音楽：深井史郎

配給：松竹
©1939松竹株式会社

ジャンル：現代劇