映画・アニメの世界

【作品データベース】風の中の子供 かぜのなかのこども

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分
昭和11年6月から朝日新聞に連載された坪田譲治の同名小説の映画化。小学生の兄弟の日常を活き活きとつづった人間ドラマ。小学5年生の善太と1年生の三平の兄弟は、田舎の自然の中で楽しい夏休みを過ごしていた。ところがある日、父親が私文書偽造の疑いをかけられて警察に連行されてしまう。家計を支えるため母親が働かなければならず、まだ幼い三平は叔父の家に預けられることに。こうして兄弟は離ればなれの毎日を送りはじめるが……。

STORY
瀬戸内海の小島。その丘の上に善太(葉山正雄)と三平(爆弾小僧)の家と牧場がある。二人は仲良しの兄弟で、牧場の手伝をしてよく働いた。ある日二人は、見知らぬ老人に馬に乗せてもらった。家に帰ってお母さん(吉川満子)にそのことを話したが、何故か母の表情は暗かった。この人は実は二人の祖父の小野老人であった。十年前、小野老人は母の久子を自分の小野合資会社の老会重役と結婚させようとしたが、久子は嫌って青山一郎氏(河村黎吉)と結婚してしまった。それ以来小野家を勘当されたのである。二人は母から老人に会ってはいけないといわれ、次の日には馬にのらなかった。小野老人はなにか寂しげであった。そのかわりに三平は河原にあった牛にのったが、振り落されて気絶してしまった。このことがきっかけで、小野老人は久子をゆるして、善太や三平たちは家に遊びに来るようになった。しかしここに不幸なことが起った。老会は三平たちの父に自分の地位をとられるのをおそれ、青山氏が昔兄の俊一氏から会社の金を借りたのをたてに、借金の請求をしてきた。ところがこの金を返さなくてもよいという、俊一氏の手紙を青山氏は失くしてしまった。法律にうとい小野老人は、みごとに老会の策にひっかかり事情をしらずに烈火の如く怒ってしまった。青山氏は警察につれていかれた。父親のいない善太と三平は父に代って、朝早くから車をひいて牛乳を配ってあるくことになった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
葉山正雄
爆弾小僧
河村黎吉
吉川満子
- スタッフ -
原作:坪田譲治
監督:清水宏
脚色:斎藤良輔
脚色:清水宏
撮影:斉藤正夫

配給:松竹
©1937松竹株式会社

ジャンル:現代劇