関連情報
出演
原作:泉鏡花
補綴・演出:成瀬芳一
滝の白糸:市川春猿
村越欣弥:井上恭太
桔梗:瀬戸摩純
撫子:川上彌生
新助:市川弘太郎
春平:田口守
お辰:市川笑三郎
南京寅吉:市川猿弥
みどころ
平成22年10月の三越劇場花形新派公演は、三越劇場の新派としては初めての上演となる『滝の白糸』をご覧頂きます。
『滝の白糸』は、水芸の太夫・滝の白糸と法律家を目指す村越欣弥の美しい悲恋の物語で、今から115年前の明治28年に藤澤浅二郎の白糸、川上音二郎の欣弥で初演されて以来繰り返し上演されている、新派のレパートリーの中でも大変人気の高い作品です。
今回は、歌舞伎界から市川春猿、市川猿弥、市川笑三郎、市川弘太郎が参加し、舞台に華を添えます。新派からは井上恭太、瀬戸摩純、川上彌生といった若手を中心に、加えて柳田豊、田口守、勝見史郎、佐堂克実、小泉まち子らが燻し銀の演技で周りを固めます。
歌舞伎、新派双方の花形が揃った舞台をどうぞお楽しみください。
あらすじ
明治の初め、北陸一円。
滝の白糸(市川春猿)は、口上の春平(田口守)やその女房で三味線弾きのお辰(市川笑三郎)、先乗りの新助(市川弘太郎)、弟子の桔梗(瀬戸摩純)らと共に水芸一座の太夫として絶大な人気を誇っていたが、商売敵である南京出刃打の寅吉一座とことごとく対立していた。ある日二人は馬車と人力車で争ったが、白糸の乗った馬車は途中で故障。しかし寅吉(市川猿弥)の人力車が馬車を追い抜くと同時に白糸を抱いて馬に乗り、まんまと寅吉を見返したのが客馬車で生計を立てていた村越欣弥(井上恭太)であった。欣弥が忘れられない白糸は、金沢の卯辰橋で再会した時に、法律を学びたいという彼の思いを知って学費の仕送りを申し出る。一度は断る欣弥だったが、白糸の熱意に負けて有難く受けることに決める。すぐさま東京へ旅立つ欣弥と彼を見送る白糸。二人にとって束の間の幸せな時であった。
それから3年が経ったある日、寅吉一座の撫子(川上彌生)を巡ってある事件が起こり…